
完成した「阪神神社」の前で、タイガースの連覇を祈って気勢を上げる大江さん(左端)とシュミットさん(左から2人目)ら=兵庫県丹波市氷上町下新庄で
虎党、勝利を祈る―。兵庫県丹波市氷上町下新庄の大江三千男さん(77)宅に、阪神タイガースのユニホームと帽子が塗装された虎像を御神体と位置づけた「阪神神社」が誕生した。フランス人の友人で、建物リフォームなどを手がけるシュミット・アントワンさん(46)が祠を製作。県内や大阪府からタイガースのファン仲間が30人ほど集い、「神社開き」をした。今季、圧倒的な強さでリーグ優勝したタイガースの連覇を願う人たちが早速、手を合わせていた。
木造の祠は高さ3メートルほど。材料のほとんどは廃材やB級品で、屋根は瓦ぶき。所々、タイガースカラーの黄色と黒色の塗装も施している。内部には、「虎球神」と名付けた大きな虎像が鎮座し、ガラガラと鳴らす鈴も付いている。
虎像は数年前、シュミットさんが熱心なタイガースファンの大江さんにプレゼントしたもの。シュミット夫妻が丹波市に移住して以来、人つなぎをしたり、音楽に親しむシュミットさんにライブ会場を紹介したりと、大江さんが暮らしの支援をしてきた。
その恩返しに虎像をプレゼントしたが、あまざらしだったのをふびんに思い、虎像が納まる「家」を作ろうと声をかけたところ、大江さんが「それなら神社にしよう」と逆に提案。大江さんは「毎日、勝利を祈りたかったので」と笑う。
大江さんは「立派過ぎる神社」とほほ笑み、今年のドラフト会議で丹波市出身の早瀬朔投手(神村学園高3年)が阪神から4位指名されたことを受け、「早瀬投手にもエールを送りたい」と話した。


























